最近、電気自動車(EV)のニュースで、車両火災に関する報道を目にする機会が増えました。
「EVはガソリン車よりも燃えやすいのか?」 「EV火災は一度燃え始めると消火が難しいって本当?」
これらの報道が、EVへの乗り換えを検討している人々の不安を煽っているかもしれません。しかし、実はこれらの報道には、伝えられていない「本当の出火原因」が隠されていることが多いのです。
このブログ記事では、BMWのEVを中心に、相次ぐ車両火災の裏側にある真実と、報道だけではわからない火災の本当の原因を解説します。
1. ほとんどの火災は「バッテリー」が原因ではない?
EV火災のニュースを聞くと、多くの人が「EVの心臓部であるリチウムイオンバッテリーが燃えた」と考えがちです。しかし、実は報道されない多くのEV火災は、バッテリーパックそのものが原因ではありません。
本当の出火原因として、専門家が指摘するのは、意外にも従来のガソリン車にも搭載されている「12Vの鉛バッテリー」と、高電圧を制御する「リレー」の問題です。
なぜ12Vバッテリーが原因なのか?
EVの複雑なシステムは、車載コンピューターや各センサー、エアコンなどを制御するために12Vバッテリーに依存しています。このバッテリーは、充電時に高電圧から変換された電力を受け取ります。
この際に、バッテリーや配線に不具合があると、ショートや過電流が発生し、火災につながる可能性があるのです。特に、リレーは高電圧と低電圧の回路をつなぐ重要な部品であり、ここが原因で火災が発生したケースも報告されています。
2. EVの火災はガソリン車と何が違う?
EV火災が大きく報道されるのには、ガソリン車とは異なる火災の性質も関係しています。
ガソリン車の場合、燃料が燃え尽きれば火は収まります。 EVの場合、バッテリーパックの熱暴走(サーマルランナウェイ)が起こると、内部で化学反応が連鎖的に発生し、長時間にわたって燃え続けることがあります。また、水による消火が難しく、特殊な消火方法や設備が必要になる場合があります。
しかし、これは「EVがより危険」ということではありません。ガソリン車でも、燃料タンクに引火すれば大惨事につながります。EVの火災は、その性質が異なるだけであり、火災発生の頻度自体は、ガソリン車よりも低いという統計データも存在します。
3. BMWのEV火災はなぜ多い?
BMWのEVは、その設計思想から、特に熱マネジメントに力を入れています。バッテリーパックは、液体冷却システムによって常に最適な温度に保たれており、熱暴走を防ぐための工夫が随所に凝らされています。
では、なぜ報道ではBMWのEV火災が目立つのでしょうか?
これは、BMWが早期からEVを市場に投入し、多くの台数を販売していることや、高級車ブランドとして注目度が高いことが一因と考えられます。また、報道はバッテリー火災というインパクトのある原因に焦点を当てがちですが、実際には「12Vバッテリー」や「リレー」といった、比較的軽微な原因で発生した火災も含まれている可能性があります。
まとめ:正しく理解し、賢く付き合う
EV火災は、ドライバーにとって無視できない問題です。しかし、報道される情報だけを鵜呑みにせず、その背後にある本当の原因を理解することが大切です。
- EVの火災は、必ずしもバッテリーが原因ではない。 12Vバッテリーやリレーといった、見過ごされがちな部分にも注意が必要です。
- EV火災の性質はガソリン車と異なる。 長時間燃焼する可能性があるため、適切な消火方法が重要です。
- メーカーは常に安全性を向上させている。 BMWを含む各メーカーは、ソフトウェアのアップデートや部品の改良を通じて、安全対策を強化しています。
EVは、今後の主流となるであろうテクノロジーです。その技術的な特性とリスクを正しく理解し、適切なメンテナンスを心がけることで、安心して快適なEVライフを送ることができます。
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